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頬が一瞬でこわばる
そんな冬が好きだ
深淵のような闇の中で
輝く星々の営みが好きだ
ショートにしてしまった
首筋が寒くても後悔はしない
弱々しく窓からこぼれる
結露に反射するひかりが好きだ
ふたりでぼんやりストーブの前で暖をとる
そんな幸せなことは冬にしかない
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[2017/01/17 21:55] 日々 | TB(0) | CM(0)

ポテトサラダ 

タイトルも思い出せなくなるような
つまらなくて長ったらしい
フランスの映画を
ジャガイモをつぶしながら
眺めていた深夜
出張先で遠くにいるからと言う理由で
メールを何度も送ってくるあなたは
手持ちぶさたでビジネスホテルで
小さな灯りが消せずにいるのだろう
ゆで卵をフォークで刻むのは苦手だし
かと言ってまな板の上で包丁で刻むのは面倒くさい
薄ら笑いを絶やさない主人公の女優は
男を置いて部屋を出ていく
季節は秋だ、もう秋なのに
Tシャツ一枚で林檎の皮むきにとりかかる
皮には一番栄養があるらしいけれど
食べた時に口の中に残るのが嫌でゆずれない
あなたが今夜何回目かのお休みと言う
眠れないのはどちらだろう
眠れないのはなぜだろう
彼女はいつ別れを思ったのだろう
男のどこが許せないのだろう
マヨネーズが切れていた
どうしようもなく眠れない夜の果てに
二人は取り残された


[2016/09/02 21:27] 詩片 | TB(0) | CM(0)

胸の暗がりに 

胸に宿る薄暗い空の端に
三日月があるのを
うつむきがちに家路を急ぐ
人びとは知らない
想いをねじふせて唇を結ぶ
あなたのたった一つきりの
希望がどれだけ美しいかを
月は知らない

恋人たちは優しさをお互いに
押しやりながら相手の指先ばかりを追う
あともう少しだけ
あとひとつだけ
子どもたちは幸福の時間が無限にあると
自らを騙しながら駆けていく

ひとつきりの美しさを知ったら
あなたの希望の尊さを知ったら
空のほんとうの色を知ったら
優しさ裏にあるかなしみを知ったら

三日月ののぼる胸の暗がりに星はいくつ見えるだろう
[2016/08/29 19:40] 詩片 | TB(0) | CM(0)

青い花 

花が咲くまで待っていて
心臓がどくどく血を押し出して
存在が重すぎて天井から
神さまが降りてきて鼻を鳴らす

花が咲くまで待っていて
蛍光灯から垂れ下がるスイッチの紐
こんなにも緩い朝と夜のつなぎ目も
懐かしくて僕の目から涙があふれだす

花が咲くまで待っていて
実がなるまでの物語をあなたに
死に物狂いで生きなきゃならなかった
あなたに話さなくちゃならないんだ
青い、宇宙から見た地球のように青い
花が咲くまでに

[2016/08/28 19:55] 詩片 | TB(0) | CM(0)

骨と海 

時々思い出したように
手首や首に手をあてて
脈を感じる
影を探す少年が今、
自分にナイフを向ける

どうかどうかしあわせにと
王子と燕がいのちをかけた
夢物語を
受けとるはずだった両手を
きれいに交差させて
脈を感じる

この生温かいからだを循環するなにかを知らずにこころだけがそれを否定するようになって

大人になったつもりの量だけ
汚いものを
知ったふりをしながら
静かに息を
吐いたり吸ったりして
泣きながら、海を思った

時々脈を感じる
帰りたいと伝えることが
出来ないままで
取り残された骨だけの魚が
迎えに来るまで
生きなくちゃならないと思った






[2016/08/16 21:15] 詩片 | TB(0) | CM(0)

夏の生きざま 

両手を合わせたまま口元をおさえる
雑踏のなかでそっと呼吸をとめた
儀式のように映る、それは誰かに届くのだろうか
何かに向かって祈っているけれど
その先はぼんやりとして形にならない
だからこそ思いばかりが切実につのる

雨の匂いのする風が吹きつく、夕立がそこまで来ている
ここに来るまでに摘み取った、朝顔のつぼみをひとつ供えた

とうとう誰にも行きつく先もない祈りは
夏の気まぐれに流されてしまうのだろう
そして、生を目の当たりにしたときもう一度思い出す
ありありとそれはもう鮮やかに
[2016/08/07 16:21] 詩片 | TB(0) | CM(0)

いつか、約束の夏に 

伸びた前髪をヘアピンでとめて
あなたはご機嫌だ

夏に咲く花は鮮やかで触れることに躊躇する
入道雲と一日ずつ遠くなる蝉の鳴き声

熱帯夜を彩る打ち上げ花火を見ようって
ベランダに裸足で出る
あなたはご機嫌だ

この夏の日のまばたきを永遠に忘れないようになんて無理だろうから
ゲリラ豪雨が町をさらっていったあとの眩しい光を掴むなんて出来ないだろうから

今年の夏の真ん中にいるうちに
べたべたに汗をかいた手をつなぎあう

約束をしよう、
守れないようなとっぴな約束をして
夏には死にたくないなんて
嘘だか本当だかわからない話をして

いつか夏を終わらせよう
[2016/08/05 23:21] 詩片 | TB(0) | CM(0)

こだま 

大勢だと聞こえない
ふたりだとこころが知りたい
一人だと大きくこだまする

なにもかも欲しがったり
誰もかれも傷ついたり
したくないからドアを閉めて
時計の針ばかりを追う
確かなのは鼓動だけ

失うことを知っているから
失わないように握ってたはずで
失う時は一瞬の
大きな悲しみのなかで
確かなのは鼓動だけ

だから、覚えてて
鼓動が止まるまで
そして、繋がればいい
誰かの鼓動のために

ひとりぼっちで立つときに
大きなこだまが返ってくると

[2016/08/01 21:35] 詩片 | TB(0) | CM(0)

虹 

雷雨がすべてをさらってゆく

あなたは爪を噛んで
雨が地面を穿つのを眺めている
アパートの狭い階段座って
わたしたちは術もなく
途方に暮れるしかなかった
夏空が晴れているだけだとは
限らないのを知らなかったように
蒸し暑いこの国のこの季節に

わたしたちは術もなく
途方に暮れるしかなかった

部屋のなかに入ってもよかったのに
ふたりともそんなことは露程も考えなかった
この国の将来みたいに
ほんの五分後だって
ぼんやり輪郭は見えたり見えなかったりする

わたしたちは術がない

この雨がやんだら虹が現れるのも知らずにいた

[2016/08/01 21:18] 詩片 | TB(0) | CM(0)

居場所 

本当に何年かぶりに過去に書いた詩を振り返ってみた。
誰が書いたんだろうと思う。こんなにひとは変わってしまうのだなあと思う。
好きなことや嫌いなことや悲しいことが変わってしまうのだろうか。
今は息をひそめて言葉たちを拾いあつめてまた、ほころんだポケットに入れてまた、落としたりして残ったものをひとつひとつ並べてはやめたり、直したりしている。
これでいいんだろうか、どうかはわからないけれども。
それでも、つむぐことでこの焦燥を少し抑えられるならば。
ここでしか居場所のない言葉たちがいる。
[2016/07/23 11:11] 日々 | TB(0) | CM(3)
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